1907年にデンマーク・オーデンセにて設立したCarl Hansen & Son（カール・ハンセン＆サン）は、デンマークの巨匠Hans J. Wegner（ハンス・ヨルゲンセン・ウェグナー）による作品を数多く手がける北欧の老舗家具メーカーです。見た目の美しさと実用性を兼ね備える家具は、北欧のみならず世界的にも高く評価されています。

Carl Hansen & Son（カール・ハンセン＆サン）の家具には、北欧に古くから伝わる“クラフトマンシップ”と最先端技術を駆使した“確かな工業技術”という、相反する技術のメリットがバランスよく活かされています。メインアイテムであるチェアの座面にはペーパーコードが採用されており、熟練した職人の手によって丁寧に編み込まれています。しかしながら、一方では、木材の加工過程等の製造ラインには機械化が図られており、モノ作りには欠かすことの出来ない“効率の良さ”がしっかりと追求されています。一つの作品の上で織り成される“伝統”と“近代”の見事な調和、それこそがまさにCarl Hansen & Son（カール・ハンセン＆サン）の魅力的な作品の原点となっているのではないでしょうか。

Carl Hansen & Son（カール・ハンセン＆サン）の家具の中でも特に有名なのは、Hans J. Wegner（ハンス・ヨルゲンセン・ウェグナー）デザインの『ウィッシュボーンチェア』でしょう。本アイテムには背もたれ部分にY字型の支柱があしらわれていることから、“Yチェア”の別名でも親しまれているコレクションです。どこかエスニックな雰囲気のデザインは、中国・明代のチェアに影響を受けたとも言われています。

また、“スマイルチェア”として知られる『スリーレッグ・シェルチェア』も、このブランドの代表的な作品として知られています。座面に施された滑らかなアーチラインが、可愛らしさを演出するデザインです。その他、カウホーンタイプのアームが特徴的な『エルボーチェア』の、シンプルながらも洗練されたデザインは世界的に高い評価を受けています。

Carl Hansen & Son（カール・ハンセン＆サン）の家具は、長年使い込むことで使い手の肌に馴染み、ぐんと味わい深さを増していきます。家具愛好家の間では、何世代にも渡ってこのブランドのアイテムが愛用されるというケースも珍しくありません。確かな機能美と飽きのこない美しいデザインは、まさに“生涯を共にするのに相応しい家具”であると言えるでしょう。